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なんか面倒なことに巻き込まれてる気がする……。 「……あのっ!」 勇気を振り絞り、未だに言い争いを続ける二人に声を掛けると。 こちらを睨む二対の目。 「私、きょ、今日は失礼します!履歴書を置いていきますので、また改め―――。」 「駄目だ。話はすぐに済むから待ってろ。」 「圭っ!すぐに済むような話じゃないです!」 「なので、私は―――。」 「悪いけど、うちは新人を募集する予定はないから。このままお引き取り頂いて結構です。」 バンッ!! デスクの足を蹴る音に、ビクリとする。 「…………お前ら、少し黙れ。」 語調を強めた訳でもないのに。 地を這う低い声色に身を震わせたのは、サクラさんも同じで。 彼女の表情が一気に青ざめる。 .
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