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確かに、私達の始まりは間違っていたのかも知れない。
けど、終わりくらいはちゃんとした形で迎えられた筈だ。
連絡がなかったのを言い訳にして、要君と向き合おうとせず。
一人で勝手に圭さんへの恋心に浮かれていた。
自己嫌悪は、今になってじわじわと心にダメージを与えてくる。
膝の上に置いたバッグが先程から震えているのを知りながら、どうしても電話に出る気になれない。
早く切れないかと、星が光り始めた夜空を見上げてやり過ごしていると。
突然視界に入ってきた圭さんは、携帯を耳に当てたまま私を見下ろした。
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