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先程観終わったばかりの人気劇団の公演。 チラシの山は、そのパンフレットに挟まれていたもの。 1枚1枚丁寧に目を通し、その中に紛れているオーディション情報を選り分けていくのだ。 世の中には、こんなにも劇団があって、そこに出演する役者さんも星の数ほど居るというのに。 どうして私は、向こう側の人間になれないのだろう……。 「いらっしゃいませ~!」 背後で聞こえる店員の声。 思い出したように汗をかいたアイスカフェオレのグラスを取った時―――。 突如、伸びてきた手に腕を掴まれた。 .
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