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「ば、ばかものっ!」
後方で高みの見物を決め込んでいたヒルダはソルスに背後から襲い掛かって口を塞ぐと、そのままずるずると引きずっていく。
「ちっ」
ボブ爺の家が見えなくなってようやくヒルダが腕を解放すると、ソルスは地面に尻もちをついた状態で、今しがたの行動を振り返った。
(ああ、もしかしてこれはいわゆる『フェイク』というやつで、タンス開けをやってこいというのは建前。
実のところは『ピンポンダッシュ』を会得するのが真の目的だった──そういうことなんだね、母さん!)
何とも便利な脳みそだ。
見事なポディティブ変換ミスをして、今回の訓練は幕を閉じた。
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