其の壱

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1995年12月24日午前9時??分 少年は自宅を出た。 同年同月10時 親友宅へ 「寒っむい!早く!六徒、来いって!はげ山にメチャクチャ積もってんぞ!!」 「なぁに?知ってるよ。それよりコート着ろって。」 まだ、幼き日の莉桜少年は人生初の深雪に大はしゃぎ。 親友の六徒こと 「合歓木 六徒(ネムキ リクト)」 の忠告も聞かず… 「ユッキー!!皆も呼びに…!!」 ガコンッ! 側溝の蓋の上で派手に転倒する始末。 「ゔ…ぅう…冷たい!!」 「痛いだろ?…母さん、莉桜にコート貸してもいい?」 「アンタのコートは? 他は一克と二季と三雷に四乃、五月のしかないよ?」 最初から (カズヨシ、ジキ、ミライ、シノ、イツキ) 全員男兄弟 「莉桜、身体デカイから一兄の借りるよ。どうせ受験勉強で外出ないだろ?」 「ん~そうだね。行ってらっしゃい。…あ、遅くなるんじゃないよ!」 「分かってるー!」 「おう!コートサンキュー! 結南と渓路、呼びに行こう!」 「先、どっち?」 「近い方!結南!」 「あ、先行って…靴紐、結ぶ」 「走ってるから直ぐ来いよ!」 「転けるから歩けって。」 「おお、たしかに…学習ってやつですな?」
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