其の壱

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「そうゆうのいいから…結べた。行こう。」 「ですな?ですなですな?…行こう!」 その元気は何処から湧いてくるのやら… 途中、何度も走ろうとして転けそうになる莉桜をその度に支える六徒。 合歓木家の末っ子で一番のしっかり者は頼りになる。 「知ってるか?後、何年かしたら土曜日も休みになるんだぜ!」 「ふーん、今は、4月じゃないぞ。」 「本当だって!絶対なるんだって!夢で見たから絶対だって!」 「それが本当だったらお前、テレビ出れるぞ。」 「うおー!!テレビ!あ、結南の家だ!」 「あ、また、靴紐…莉桜、ピンポン押してくれ。」 ──ンポーン ・・・・ 『はい?どちら様ですか?』 「あ、えと、その…」 {六徒、オバサンだ…} 「あ、あの結、ユナ!結南ちゃ…結南さん居ますか!」 『フフッ…はい、呼んできます。少し待っててね。』 ・・・ 「焦ったー!でも、六徒の声、ユゥ!ナ!ってなってたぞ!ハハ」 「お前、それ言…喋るなよ!」 「じゃあ、俺がオバサンって言ったのも喋るなよ!」 「2人共、丸聞こえだよ?」 子供の頃、こんな程度の低い会話してましたよね?
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