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その夜、空には多くの星が流れていた。
「おおお…、ナステカ様じゃあ…。ナステカ様の怒りに触れてしまったのじゃあ…!」
名も無き村の村長は、その圧倒的な光景の前に自らの存在のちっぽけさを知り、ひれ伏した。
「お前等も、早くナステカ様に許しを乞うのじゃああああ!!」
だらだらしている村の若衆に、村長は激怒する。
(全く、最近の若者はたるんどる!)
村長はやる気の無い若衆達に何とか渇をいれねばと、いきり立っていたのだ。
(ったく、このじーさんもいちいちうっせーなー)
反面、若衆達の心境はこんなもんだった。
「ナステカ様、ナステカ様あああ!!」
そんなこととはつゆ知らず、村長は最近ハマりだした新興宗教の神に対し、必死に祈りを捧げていた。
そしてその時――
キラリと空がいっそう強く瞬き、一筋の光が徐々に近付いてきていた。
「んあ、なんだあれ?……おいやべーぞ!段々こっちに向かって――」
若者の1人が叫んだが、遅かった。
ドォンという激しい音とともに、光は名も無き村の大地に突き刺さったのだ――
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