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「な、なんでぇ俺がおめえの為に!」
若者は訳が分からず怒鳴り散らした。
「ほほぅ…、お主、妾に逆らうのだな…?」
「さ、逆らうってわけじゃねえけども…」
女性は若者の煮え切らない発言に若干イラついたようで、ゆっくり立ち上がると若者のそばまで近寄り、そっと頬に触れた。
「ち、近寄るなってんだよ!」
若者は正直心臓バクバクだったが、村の衆が見てる前だ。
理性的に、一歩退いた。
「ほう、本当に逆らうようだな…」
ついに女性は怒ったようだった。
口元が歪み、顔が紅潮する。
「ならば…、この村を壊す!!」
女性が天に腕をかざすと、突如として大地が揺れ始めた。
「うわああ!」
「なんだこりゃあ!?」
「お助けええ!」
口々に叫ぶ村人達。村は一気に大混乱に陥った。
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