第一話 ヒミちゃん大地に立つ!

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(な、何てえ奴だ) 若者はその全く計り知れない存在に恐怖したが、背に腹はかえられない。 とうとう観念することにした。 「分かった、尽くす!尽くすからやめてくれえっ!」 「ふむ…」 女性は満足げに頷くと、地を揺らすの止めた。 「妾の名はヒミコ。そのスカスカの脳みその中に、忘れることのないよう叩き込んでおくがいい」 ヒミコは愉快そうにアッハッハッハと笑い声をあげる。 「…か、神だ…。ありゃあ神だ」 その様子を見て、別の若者がごくりとつばを飲み込み、呟く。 老人達はヒミコに対して有り難や有り難やと拝みだした。 「…ヒ、ヒミコ様万歳!」 その内に、誰かがそう言い、腕をあげた。 「ば…、万歳!」 「ヒミコ様万歳!」 すぐにその輪は広がり、村は万歳の渦に包まれる。 『万歳!万歳!万歳!万歳!』 新興宗教の誕生だった。
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