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渡部の視線を受け止めた綿貫は、仕方ないとばかりに盛大に溜息をつき、無言のまま頷く。
それに渡部も溜息をつき、春に視線を戻す。
「…わかりました。あんまり気乗りはしませんが、ご一緒させて頂きます」
嫌そうではあるが、渋々そう言った渡部は、俺の前の椅子を引き腰掛ける。
その渡部の隣には綿貫が当然のように陣取る。
因みに綿貫の正面には杏が座っていて、渡部を挟んだ綿貫の反対隣には春が座る。
隣に座った春に、渡部は思い切り眉間に皺を刻む。
「…なんでわざわざ俺の隣に来たんすか?普通で考えたら、宮本先輩は向こうでしょ」
渡部が嫌そうに言っても、春は気にした様子なく、ニコニコと笑っている。
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