3218人が本棚に入れています
本棚に追加
渡部は春から俺に視線を移し、相変わらずの呆れたような表情で言ってくる。
俺の隣の杏はクスクスと可笑しそうに笑っている。
「悪いな。俺は食事に誘われたからついてきただけで、コイツ等がお前目当てだったんだ」
ほんとの事を言うと、渡部は溜息をつく。
それはもう呆れたように。
「面白い子だねぇ。そこまで嫌がるとは思わなかったよ」
クスクス笑っていた杏が、渡部に笑顔を向け言う。
渡部はその杏の言葉に、怠いと言わんばかりの表情で杏に視線をやる。
「嫌に決まってるじゃないっすか。なんで好き好んで、こんな注目されるような事しなきゃならないんすか」
.
最初のコメントを投稿しよう!