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そう言って怠さを感じる動作で、鬱陶しそうに長い前髪を掻き上げる。
コイツ等生徒会のメンバーと居て、美形は見慣れてるが、その渡部の仕草にはどことなく色気を感じる。
掻き上げた前髪をくしゃりと握り、僅かに眉を寄せ目を伏せる渡部に、思わず見惚れる。
食堂に居る、俺等以外の周りに居る奴等も、その渡部の艶っぽい仕草に赤面する奴や、前屈みになり慌てて食堂を出ていく奴まで居る。
「…おい、渡部。無駄に色気を振り撒くな」
そんな渡部の様子に、注文を終えた綿貫が呆れたように告げる。
渡部は綿貫の言葉に眉を寄せ綿貫に視線をやる。
「意味わかんねぇよ。色気なんて俺から出るわけねぇだろ」
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