廃病院

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 2人は廊下を進み、適当にドアを開けた。 「診察室っぽいな」  太郎は部屋をのぞきこんで言った。  室内には机やベッド、棚などがあった。どれもほこりをかぶっていた。  そして、これといってめぼしいものもなく、2人は部屋をあとにした。  2人は再び廊下を進み、また適当にドアを開けた。  がらんと広い部屋だった。  コの字に配したカーテンレールがいくつも等間隔にぶら下がって並んでいた。 「病室だな」  よしおが言った。  2人は再び黙々と廊下を進んだ。  さすがに退屈らしく、よしおは何回もあくびをした。 「そろそろ帰るか」  太郎もあくびをかみ殺しながら言った。彼も飽きていたらしい。 「どっちから来たっけ」  よしおは左右を見た。  2人は適当に進んできたせいか、出口がわからなくなっていた。 「あっちじゃないか? 非常口の電気がついてるし」  太郎は廊下の先を指した。
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