佐藤拓海―妹を殺さないで―

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「職員室に行って先生いないか調べただけだ。」 俺は事実をありのまま言った。しかし健斗は俺の言葉を信じようとはしなかった。 「嘘つけ!何でてめぇの妹はいるのに俺達の家族はいねえんだ!」 「それはー…」 本城里織のせい、とはなかなか言えない。彼女は男子にかなりの人気を誇る学年のアイドルだ。 「ほら答えられない。」 健斗は段々近づいてくる。俺は少しずつ後ずさった。
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