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「どうぞ~」
主人の気の抜けた声の直後、扉が開け放たれた。今度の客は、若い女性か。それにしても綺麗な黒髪だ。
「みゃ~(いらっしゃい)」
吾輩も鳴き声で歓迎する。
「キャー、デブかわいいーー!」
足下にいた吾輩を見た女性はそう言った。デブとは失敬なお嬢様だ。
吾輩は踵を返して主人の方へ向かう。別に怒ったわけではない。
主人と一緒に依頼人の話を聞く。
それが吾輩、探偵ポンの探偵としてのスタイルなのだ。
ダンディーに、ハードボイルドに。
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