第一話

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「春名雪という女子大生を知らないか?」 吾輩は若干投げやり気味に問いかけた。もう既にこの女と話すのが面倒臭くなってきている自分が、どこかにいるのだ。 「名前だけじゃわからないわねぇ。何か、特徴はないの?」 特徴か……。あっ、そうだ。2つほど特徴があったな。 「巨乳なのと、とても綺麗で長く、よく手入れされている黒髪を持っているのと、あ、あとお嬢様のような風格がただよっているぞ」 吾輩の簡潔で分かりやすい説明で、テルミはピーン来たらしく、ぽにょん、と肉球と肉球を合わせた。 「ああ、あの娘ね!知ってるわよ」 どうやら最初からビンゴのようだな。これは幸先が良いぞ。
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