三、伝承

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三、伝承

 王の名をオルディーンと言った。  王は長い間船で宇宙を旅された。  ある時は無数の星が側を流れ、ある時はいくつもの太陽が大地を照らした。  そして旅立ちから百年の月日が経ったある日、王は自分達の星と似た星を見つけられた。  それが地球だった。  幸運なことに、地球には人と呼べる人はまだできあがっていなかった。  そして王は言った。「私は神になりたい。ここに人を作ろう。」そして王は人を創られた。砂漠の広がる土地より更に東に位置する緑豊かな土地、エデンにて。  一人息子の名をロキと言った。  一人息子は長い間船で宇宙を旅した。  ある時は流れ来る星に驚き、ある時は照り付ける太陽に意識を奪われかけた。  そして旅立ちから百年の月日が経ったある日、一人息子は自分達の星と似た星を見つけた。  それが地球だった。  幸運なことに、王はこの地球で人を創られると言い出した。  そして一人息子は思った。「僕は神になりたい。ここで王を殺そう。」そして一人息子は機会を待った。砂漠の広がる土地より更に東に位置する緑豊かな土地、アビスにて。
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