七、伝承

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七、伝承

 王は悩んでおられた。人々が言うことを聞かぬと嘆いておられた。  王はある時大勢の部下を前に訊ねられた。「この中で彼らを鎮められるものはおらぬか。」そして一人の若者が名乗り出た。  王は驚かれた。それは成長したあの一人息子だった。人の監視役と言う重要な役を任されたあの一人息子だった。  王は言われた。「主に何ができるものか。」一人息子は答えて言う。「できるのは私ではこざいません。王よ、貴方です。あなたは戦わざる事を望んでおられるようですが、あなたが行けばたちまち戦争は終わることでしょう」  王は感心して言われた。「なるほど、確かに」そして王は続けて言う。「それでは私がここを留守にする間、ここの軍備は主に任せよう。」一人息子は頭を垂らし答えて言う。「かしこまりました。」  王はそして船を離れられた。自らは南の国へ赴き、自らの息子を北の国へと赴かせて。
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