劉備、出逢います。

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「お待ちかねのご飯の時間だよ。今日は人数が増えたから久しぶりの鍋だよ」 母親が両手で鍋のふちを掴んでやってきた。鍋からは湯気が出ており、すぐに部屋が鍋のいい匂いが充満し始める。 三国時代に民の食べていた物は色々な説があるが、野菜で作られた寄せ鍋もその内の一つだ。 鍋を中央に置くと、その周りに劉備が寄って行った為同じように鍋の周りに移動する。 「本当に久しぶりの鍋だね、前食べたのいつだったけ?」 「思いだせないほど昔に食べたのかよ」 「確か一年以上前じゃなかったかね。正直これも作り方うるおぼえなんだけど、そこはきにしなで」 「いや、気にしますよ」 劉備が鍋のふたを上げながらいった言葉に俺がツッコムと母親が皿によそおいながら苦笑いを浮かべて言った。 初めて食べさせる自分の料理を作り方が曖昧な物を食べさせるか、普通そこは自分の得意料理とかじゃないか 「器の小さい男は嫌われるよ、それに、最底辺を知っておけばこれから食べる料理が美味しく感じるはずさ」 「計画的な犯行だったのかよっ!?」 「冗談さ、ちゃんと作り方は覚えてたよ」 「じゃあ、今までのくだりは何の為にっ!?」 「からかいたかった、ただそれだけの話さ」 鼻で笑った後に、母親は最後の言葉を言った。言葉だけなら異様にかっこ良くみえるけど今聞いたら非常にイライラする。 そんな俺の心情を余所に、母親は鍋の具のそそられた皿を渡して来た為ありがとう、と若干不貞腐れながらいうと彼女は笑いながら東方の髪をくしゃくしゃする。
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