劉備、出逢います。

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東方は恥ずかしさからその手を払いのけ、照れ隠しに皿の中のスープをそそる。 「・・・・美味い、野菜だけでこんなにだしが取れるもんなのか?」 「この辺りは近くのでかい川のおかげで栄養豊富な野菜が取れるから、そのおかげないのかい」 東方の問いに普通だろといった感じで返してくる母親。 そういえば、中国には長江、黄河といった長い川がありその周りの土はミネラルたっぷりだといった書いてあったのを見たことがある。 その土で作ったら、こんなアッサリして喉をスゥと通りすぎるスープが作れるのだろうか。 「東方の所じゃ、こんな汁が取れる野菜がないの?」 劉備はもう二杯目に皿によそおいながらこちらに話し掛けてくる。 まだ、俺は半分もいってないのだが、早すぎるだろ。 「あるにはあるんだが、高いから買えなかったんだよ」 野菜のブランドは一個一万円以上がざらだったからな、庶民であった俺なんか買える値段じゃなかった。 せっかくだし、どっきりならここでたくさん食べとこうかな。 あとで請求なんて物は流石にないだろ。
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