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正直話しかけたくはないが、周りを見てみるが彼女以外の人物はいないみたいだ。
俺としては、さっさと家に帰って諸葛亮の残した史をレポートに纏めるのがもう少しで完成だから帰りたいのだが。
そう考えるなら、ここで彼女を無視して進み他を探すより、声をかけた場合の方が効率的にはいい。
「すいません、そこの人」
そう思い東方は彼女に声をかけた、いや、かけてしまった。
「え、どうしましたか?」
東方の呼びかけに気付いた彼女は洗濯物を洗うのを止め、こちらに振り返る。
周りの葉より明るく淡い緑の肩にかかる程度のショートヘアーの髪が宙を舞う。
パッチリとした二重に大きく髪と同じ色の目、高すぎず低すぎない鼻、小さな唇。
顔全体をみれば、まだあどけない雰囲気があり童顔な感じがする。
身長も175cmの東方の鼻の所くらいあるので約168cmらへんである。
美人は何をしても映えると聞くが、確かに彼女の顔を見たあとならボロくさい着物が若干高そうにみえなくもない。
「ここって、何処だかわかりますか?」
予想だにしていなかった彼女の容姿に少し気圧されがらも、東方は彼女に尋ねてみた。
「ここは啄都啄県ですよ、旅の方ですか?」
「は? 啄都啄県?」
笑顔で返してくれた彼女の問いを無視して、東方はつい聞き返してしまう。
それもそのハズ、日本に啄県なんてものは存在しない、いや、今となっては世界中のどこにも存在していない。
啄県は三国時代に存在していた場所であり、今は違う呼び方に変わっている筈なのだ。
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