劉備、出逢います。

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「そう啄都啄県です、ただのしがない地方だよ。それにしても見たことない格好ですが、どこからいらしたんですか?」 「福岡県って場所なんだが・・・」 「フクオカ県・・・ですか。聞いたことがないですね」 すでに変わってしまったはずの啄都啄県という場所、日本なら博多美人という言葉で必ず知っているはずの福岡県を知らない。 ありえない答えが一つだけ浮かび上がってくる。 だが、その考えを導き出すにはまだ確証が足りない。 啄都啄県という場所には三国志マニアなら知る人ぞ知る有名な場所なのだ。 「この地域に劉備、とおっしゃる方はいらっしゃいますか?」 そうこの啄都啄県という場所は、あの仁君と親しまれ、蜀を建国し、初代蜀帝についた劉備が産まれた場所なのだ。 歴史書によれば、劉備はこの地で母二人と筵を編んで生活をしていたと記録されている。 もし、いるという答えならば、どういうわけか俺は三国時代にタイムスリップをしてしまったという事が成立する。 「ど、どうして私を捜しているのですか?」 だが、返ってきた返答は正解の更に上をいくような物であった。
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