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「あはは……亮くん。君面白いね。これからよろしくね」
あの空気の中でさっそうとそして逃げるようにして下を向きながら自分の席に向かう。
自分の席に重くなった腰を降ろして座ると右の席の少し前に自己紹介をした、微イケメンの中島 久遠くんがそう言った。
「いや、面白くなんかないよ」
「いや……自己紹介でこんなことを言う人なんて居るとは思わなかったからね。悪気はないからさ……ごめんね」
「謝られても困るんだが……まあ、隣になった縁だな。これから一年仲良くしてくれるか?」
「うん、よろしくね!」
久遠と小声で会話をしているとまわりがやけに静かになる。
それもそのはず気づいたらあのイケメン、葛城の番になった。
壇上に向かうだけで女子の目線が葛城に集中する。
羨ましくなんかない。いや、ガチだから。
「どうもです。一年間よろしくお願いします」
案外普通だった。
葛城のことだから何かかっこいいことを言うかと思ったんだが…。
そんな考えをよそにどんどんと自己紹介が進んで行くが、何故か葛城が俺をずっと見てくる。
最初は俺の後ろの席の美姫かと思った。又は俺の自意識過剰かと。だが、今ではあいつはホモじゃないかって考え始めた。
俺はホモではない。すまないな、葛城。お前とは仲良くしたくもない。
自己紹介の時間が終え、先生が再度教壇に立つと無駄話をしていた生徒が一斉に静かになる。
先生の方に静かに目線を向けるクラスメイト達。
先生が話をするときにちゃんと静かに出来るってことは案外まともなクラスなのかもしれない。
「……えっとなぁ、自己紹介も終わって今日は授業もないからこれで解散なぁ。気をつけて帰えれよぉ」
その言葉とほぼ同時にクラスメイト達が何らかの動きをみせる。
may'nさんに描いてもらいました中島久遠
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