動き出す物語

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朝の太陽が町全体をさんさんと照らしていた。 「おはよう美姫」 「うん、おっはー!」 俺が学校に向かって歩き出すと、いつの間にか隣に並んで歩いていた美姫。 「今日から通常の授業だけどちゃんと持ってきた?」 美姫が言う通常授業とは体育祭や文化祭などの丸一日授業が潰れない授業のことだ。 「当たり前だろ…俺が中学生のときに忘れ物したことあるか?」 自慢げにされど冗談だと分かるように答える。 ないねーっと苦笑する美姫。 そんな美姫から、少しだけ流れている汗に目を向ける。 今日はまだ四月だというのに夏並みに暑い。 俺も額から少しだけ汗が垂れてきた。 別に暑いのは嫌いじゃないが制服は未だに冬用で暑ぐるしい。 早く夏服にしたいもんだな。
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