プロローグ

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「どうしたの亮……私の顔になんかついてる?」 美姫は慌ててポケットから手鏡を出して顔を確認する。何もついて無いと分かると安心した表情をしていた。 ついじっと美姫の顔を凝視していたようだ。 ……今頃になって恥ずかしくなってきた! 手鏡を持っている美姫はやっぱり普通の女の子だよな。 何か紛らわすために会話を続けないと。 ふと、俺は自分のクラス全体に目を動かして確認すると、入学式が始まってもなお、誰もいない席があることに気付いた。 その事をお題にして会話を続けるか。 「そういえばあそこの席のやついないな。入学早々遅刻か?」 ……クラスの名簿をまだ覚えられていないため誰が居て、居ないのかは分からない。 「そうだね~。確か小嶋さんだっけ?名前は思い出せないけど確か女の子みたいな名前だったような……」 天井を向いて時たま指を動かして考える姿はやはり普通の可愛い女の子にしか見えない。 しかしよく覚えてるよな……俺なんか、中学の知り合いが何処のクラスかどうか探していただけだぞ。 そんな美姫に再度関心してしまった。
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