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美姫は「ま、いっか」と諦めると俺になぜか視線を集中させていた。
「それにしても亮と一緒のクラスでほんとに嬉しかったよ!」
入学式真っ最中なのに抱きついて来る美姫。
周りのクラスメイトの視線が痛い。美姫、お前は高校で友達を作らせないつもりか!
心の中でツッコミを入れる。
純粋な美姫がそんなことするわけないのは分かっているけど。
「少し静かにしてください」
前に座っている、綺麗な黒髪ロングで可愛らしいインテリ眼鏡をしている女の子が俺と美姫に注意を呼びかけた。
おっと……俺としたことがつい。
半分以上は美姫の責任だけど、女の子に罪を着せるような男にはならないのが俺。
「………では、生徒会長祝辞」
校長の声がマイクによって響き渡る。
てか、もう生徒会長祝辞かよ!校長の話って何も聞いてなかった。すまない、校長。
「生徒会長の、二階堂 麗奈だ。学年は2年で1年のときに副会長をしていた。まだまだ至らないところもあるがよろしく頼む。それと新入生の諸君入学おめでとう!」
────数分ほどの短い祝辞だったが、どれだけの人を見惚れさせたのだろうか?
自分の席に戻る会長。
腰まで伸びた黒髪を揺らせ誰もが見惚れる完璧なプロモーション。少し厳しい………いや、きつい目をしているが、それをも上回るカリスマ性、包容力を遠くから肌で感じる。
それほどまでに生徒会長────二階堂麗奈は素晴らしかった。
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