6、新入生歓迎会 後半戦

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鬼ごっこの後半戦が始まってからも、俺は誰かを必死に探していた。 でも色んな逃走者を見つけても、捕まえる気になれない。どうしてだろう? 「あ、萌貴!」 名前を後ろから呼ばれて、相馬萌貴はそっちに振り向いた。 「──隼人!」 同じクラスの隼人が、笑顔でこっちに手を振っていた。 名字は確か…井上だったと思う。別に名前しか呼ばないから興味はないけど。 漸く(ヨウヤク)仲の良い友達に会えて、俺も笑顔になった。 「隼人、まだ捕まってなかったんだな!」 「もちろんだよ萌貴、そんな簡単に捕まったらサッカー部の沽券(コケン)に関わるだろ?」 そういう隼人はサッカー部の期待の新人らしい。 二年になったらキャプテンは確実だとか。 「そっか! でも、会えて嬉しい!」 「そ、そうかい? 俺もだよ」 はにかみながら言う隼人は、何だか照れてるみたいだった。 嬉しい気持ちもあったけど、それ以上は特に気にならなかったからそのまま別れようと思って、 「じゃ、またな隼人! 頑張って逃げろよ!」 「え? や、ちょっと待ってよ萌貴!」
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