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というかめちゃくちゃな放送になってたけど大丈夫なんだろうか、とか考えていたら、ガラガラ…とドアがスライドする音が聞こえた。
思わず身構えたら隣の教室だったらしく足音は聞こえてこない。
ホッと息を吐いた後静かに教室を出た。
もしかしたら逃走者かもしれないけど、鬼なら今の内に逃げておいた方がいい。
どうやら見つからずにその場を離れることが出来たようだ。
人通りの少ない場所を選んで隠れるところを探す。
この日のために、予め(アラカジメ)そういう人が来ない場所を調べておいた。
毎年似たようなルートにはなるけど、捕まる確率は確かに低いので問題はない。
誰にも会わずに狙いを付けた空き教室の前まで来ると、話し声が聞こえて慌てて隠れる。
どうやら先約がいたみたいだ。
だけどこんな人がいないところで話し声? と不思議に思い、聞き耳を立てた。
逃走者同士で一緒に隠れていたりするのだろうか。
「──だ!」
「───ぃ─、───よ!」
聞こえてきたのは、口論。明らかにただの鬼ごっこの雰囲気ではなさそうだ。
もし何か事件でも発生していたら、生徒会として止めるべきだ。
しかし、聞き覚えのある声に嫌な予感がしてならない。
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