6、新入生歓迎会 後半戦

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扉が開かないことをはっきりと認識した僕は、やっとそこから手を離した。 その直後、内側からガチャリと鍵が開けられる音が聞こえた。 ドアが開くと思うと、僕の身体は反射的に後ろに下がった。 ガラッと素早くスライドして生徒が部屋を飛び出す。否、飛び出そうとしていた。 出ようとしていたのは3人の親衛隊だった。 きっと、捕まらないよう開けた瞬間に走って逃げようとしていたのだろう。 しかしそれは無理だった。目の前にいたのは、自分達の親衛対象だったのだから。 「副、会長…様………」 呆然と呟いた生徒は、会話を聞いていた限り3人の中でリーダー的な存在だろう。 他の2人も雪斗を見たまま同じく固まっていた。 僕は取り乱さないように声を漏らした生徒を見下げた。 微かに、笑みを交えて。 「副会長、で構いませんよ? 先程もそう呼んでいたようですし」 「…っ、逃げるよ!」 彼はそう言うと雪斗を避けて走った。他の2人も慌てて追う。   ァ 僕は敢えて捕まえようとはしなかった。 2ーC、2ーD、1ーC。顔はちゃんと見ていたのでクラスは把握している。 それより早く萌貴君を助けないと。
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