6、新入生歓迎会 後半戦

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ふと気になったことを聞いてみると、何故か焦ったような声を上げた。 言いたくないようなことなのだろうか。 「け、怪我は別にないけど……」 そわそわと落ち着かない様子で視線をさまよわせる。 やがて動きが止まったかと思うと、上目使いで雪斗を見た。 「ほんとは、言っちゃ駄目なんだけど……い、言ったら、雪斗も話してくれるかっ?」 「……何をですか?」 「お、俺が喧嘩出来るのは、ここに来るまで族に入ってたからなんだ、だからその辺の奴なら負ける気はしない」 「……そうですか、あの、だから何をですか?」 「雪斗が……笑わない理由だ!」 それを聞いた瞬間、雪斗は自分の心が急速に冷めていくのを感じた。 散々萌貴君を避けていたのは、こうしたことを言われない為だった。 なのにこんな状況で聞かれるなんて……二人きりで他に聞く人がいないだけ良いのかもしれないけど。 「なあ雪斗、何でだ? 何で普通に笑ってくれないんだ? 何で……それを隠すんだ?」 「……萌貴。別に私は、可笑しな笑い方をしているつもりはありませんよ?」 僕は萌貴君に、困ったような笑みを浮かべた。
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