6、新入生歓迎会 後半戦

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萌貴君は言葉を紡ぐ(ツムグ)。 「笑顔を作るのはつらいって、今言ったじゃんか!」 一瞬、萌貴君の言っていることが理解出来なくて固まる。 だけど僕は、自分の言葉を振り返り、そして気付いた。 『私が笑顔を“作らなければならないのは”、信じる信じないなんて関係ありません』 僕は無意識の内に、笑顔なんて作りたくないという感情を、言葉に乗せてしまっていたんだ。 いや、違う。そんなことない。 心を否定したくて、けど言葉に出してしまっていて、雪斗は焦る。 「つらい訳じゃ、ありません」 「それでも!」 雪斗が否定しようと話そうとしても、萌貴君はすぐに言葉を遮ってきた。 彼は真っ直ぐ、こちらを見ていた。 「本当の自分を見せられないってことだろ? 本当の自分を見せるのが怖いってことだろ?」 彼は、叫んだ。他ならぬ雪斗の為に。僕の、ために。 「嫌われるのが怖いって……本当のことを言えば、みんな簡単に裏切るって、そう思ってるってことだろ!?」 彼が何を言いたいのか、やっと気付けた気がした。
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