6、新入生歓迎会 後半戦

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「それって、あいつらを全然、雪斗は信じてないってことじゃんか!」 彼に足りないのは理解力じゃない。彼に足りないのは─── 「それじゃ、雪斗はずっと苦しいままだろ!?」 ───言葉で人に、伝えること。 「本当のことを言えないのは、苦しいことだ! なら、わざと笑うのだって、つらい筈だ!」 接続詞を使うのも下手だし、根拠をすっ飛ばして自分の考えを言うからわかりづらい。 言うなれば、数学は得意だけど国語が苦手、あるいは勉強は出来るけど先生になることは出来ない人間。 天才の言うことを常人が理解出来ず、その人をただの変人と見なしてしまうがごとく、僕も彼を理解出来ていなかったのだ。 そして彼もまた、自分の何がいけないのか理解出来ていないのだろう。それでいて純粋で真っ直ぐだからたちが悪い。 これでは彼に、何も言えなくなってしまうではないか。 何故、気付いた? 何故外(ホカ)でもない彼のような人間が気付いてしまった? ただ、平穏に過ごしていたかっただけなのに。
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