6、新入生歓迎会 後半戦

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でなければ。 今までの時間は、何だったって言うの? 「でも、でも雪斗!」 「くどい」 ぴしゃりと言い放ち、萌貴君を黙らせる。 これ以上は、踏み込ませない。 「あなたの価値観と、周りの価値観は、必ずしも一緒とは限りません。私は──」 「──雪斗?」 突然過ぎる声に、驚いて体をびくりと震わせた。 いつの間に後ろにいたのだろうか。 心臓が緊張で速い鼓動を打つ。 雪斗は振り向かないまま、その人物に声を掛けた。 「──明良? 見回りですか?」 ここは、立ち入り禁止区域のすぐ近く。 今の時間、明良が見回りに来るのもおかしくなかった。 ドアも開けっ放しで、会話を簡単に聞かれる状況に今更ながら気付いてぞっとする。 「ああ。……雪斗に、萌貴か? 何でここに、ふたりで……?」 明良が訝しげに問い掛ける。 その声には微かに焦りが滲んでいた。 明良は、萌貴君が好きだった筈だ。 ふたりで、を最後に持ってきたあたり、雪斗との仲を疑っているかもしれない。
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