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「わかった、萌貴は俺が連れていく、雪斗はそのまま鬼ごっこに戻れ」
「えっ! 何でだ明良、雪斗だって巻き込まれたのに……!」
萌貴君の声は僕を心配する感じだったけど、僕が戻るのには理由があるのだ。
「萌貴、私は生徒会です。進行を放送までされるような私達が行事を途中で棄権したとなっては生徒がショックを受けるかもしれませんし、今回のことも大きく広まってしまうかもしれません。学園を混乱させるようなことは避けたいのです。わかっていただけますか?」
もしこれで、生徒会の副会長が襲われた、なんて噂が立てば、親衛隊がどんな動きをするかわからない。
雪斗の為に入った親衛隊は憧れて入ったという生徒も多く温厚な方だが、人の性格は1つではない。
誰もが過激な行動を取らないとは限らないのだ。
逆恨みでまた萌貴君に被害が及んでもおかしくない。
親衛隊のことは信じたいし自意識過剰かもしれないけど、やはりそうなるのは避けたい。
萌貴君はようやく納得してくれて、雪斗はふたりと別れた。
人目を避けつつ立ち入り禁止区域から離れて行く。
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