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☆
「うぅ、まさか見つかるとは……っ」
走り出したのはいいが、周りを見なさすぎたらしい。
雪斗は現在絶賛追われる身だ。
「雪斗様ー!」
「待って下さい! 今僕が捕まえるからー!」
待つわけないよ!
親衛隊と思われる集団と(確認出来る余裕がない)明らかに違うであろう軍団(つまり凄くゴツい)。
正直言おう。怖いです。
「篠崎ぃいい!」
「捕まりやがれぇええぇえ!」
「お断りっ、します!」
何だかんだでこうして大人数に追われて疾走(シッソウ)するのは三年目にして初めてかもしれない。
今までは意外と運が良かったのかも。
しかし、このままでは追いつかれてしまうだろう。
短距離ならばそれほど問題ないけど、雪斗は体力がない。
親衛隊の中でも小さくて可愛らしい感じの子達なら逃げ切れなくもない。
けど、野太い声の屈強そうな男達から逃げ切れる自信はほんの少しもなかった。
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