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階段を見つけて駆け(カケ)下りる。
鬼と鉢合わせるのだけは避けたいけど、同じ階にいてもその内逃げ場が無くなるだろうから。
違う階に降りて、また廊下を走る。
やはり制服だと動きづらい。鬼ごっこなんてやるのは今年で最後だけど、来年からは体育着でやるよう提出しておこう。
「あっ、副会長様!」
「何っ!?」
そんなこと決意してる場合じゃなかった。
死角に目を配り、必死で逃げる。
息が切れる。もう感情なんて関係無しに顔が苦しげな表情に変わった。
僕を呼ぶ声に混じって色気が……みたいな声が聞こえるけど聞かなかったことにする。
さっき終了10分前の放送があった。が、最後まで走り切れる筈がない。何とか手を打たなければ。
ドアが開けっ放しになっている教室を発見。誰も中にいないのを一瞬の内にで確認し、雪斗はそこへ飛び込んだ。
「教室に入った!」
「両方のドアを塞げ!」
当然それに続いて入ってくるだろう鬼と雪斗の距離は、大してない。
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