2602人が本棚に入れています
本棚に追加
/184ページ
「外だ! 隣の教室から回り込め!」
そう、指示を飛ばす鬼の1人。普通はベランダから隣の教室へ移り逃げる筈だから、的確な判断と言えよう。
もちろん、こんな大人数に狙われてるのに、そんなむしろ捕まりに行くような行動はしないけど。
ぎりぎり誰も教室に入ってない、つまり誰も見ていない瞬間、僕は教室に駆け込んだ勢いをそのままにベランダの手すりに足を掛け、一気に飛び降りた。
二階から、一階へ。階段を降りていたのは、こうして隙を突ける二階に行く為だった。
すぐさま目の前の会議室へ窓からGO。足の痛みが思いの外大きくて涙が出そうだ。
生徒達に混乱する声が聞こえる。見つかるのは時間の問題なので、いくつかある窓に内側から鍵を掛けて会議室を出て廊下へ。
ちなみに窓が開いていなかったら危なかったんじゃないかと思うかもしれないが、窓が開いていることはちゃんと知っていたので問題ない。
何故鍵がかかっていないのかと言うと、鬼ごっこの間窓を出入り手段として使う生徒がたくさんいるから。
どうせ開けられてしまうし、慌てた生徒が鍵を壊してしまう可能性がある為予め(アラカジメ)、人通りの多いところは風紀委員が開けておくのだ。
最初のコメントを投稿しよう!