7、結果発表とその後

5/27

2602人が本棚に入れています
本棚に追加
/184ページ
《続いて副会長のデートペアを決めます。篠崎副会長はくじをお願いします》 はっとして、焦点の定まっていなかった目線をステージの真ん中にある台に向ける。 いつの間にか、会長の明良のデートペアは決まり、雪斗の番になっていたらしい。 動揺を悟らせることなく台の上のくじに近づく。 この中には、生き残った逃走者の名前が入っている筈だ。 ところでくじで決めた場合、自分の好きな生徒会にピンポイントで当たるのは確率が低過ぎる気がするが、毎年一度か二度くじを引いただけでペアが決まるのは何故なのだろう。 こんな風に別のことが考えられるのは、余裕が出て来た証拠か。 くじを引く。紙を開いて名前を確認して、くじの隣にあるマイクに向かって読み上げた。 《2年Fクラスの相沢皐月(アイザワサツキ)君。よろしければ私とデートして頂けますか?》 ちなみに名前を呼ぶだけでは芸がないので、全員こんな風にデートの誘い文句を言うことになっている。 去年明良は「お前とちょっとばかし付き合ってやってもいいぜ?」だった気がするけど、今年は聞いてなかったからわからない。
/184ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2602人が本棚に入れています
本棚に追加