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僕が呼んだことで生徒の1人が立ち上がった。すぐさまマイクがその生徒に渡される。
Fクラスと言えば、基本的に不良などの問題児が集まるクラスの筈だ。
生徒会に興味があると思えないし、実際親衛隊に入っているなんてことは聞いたことがない。
きっと、また雪斗がくじを引くことになるだろう。
「もちろん、お受けさせて頂きます。親衛隊なんでね」
……あれ?
彼がそう言った直後、静寂を守っていた体育館が歓声と悲痛な叫び声に包まれた。
ステージに控える生徒会のみんなが揃って眉を寄せる。
僕は不思議そうな表情を作ってみせた。
そして笑顔でマイク越しに話し掛ける。
「親衛隊だったんですか? それは知りませんでした。では、よろしくお願いしますね」
僕は親衛隊が嫌いではない。名前を聞けば何となくわかる程度には把握しているつもりだったし、ましてやFクラスの生徒だったら絶対忘れない筈だ。
少なくとも親衛隊特有、朝の挨拶運動には出ていない。
彼はいつから親衛隊にいたのだろう?
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