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しかも発表の順番も問題だ。いや、むしろこの方が良いのだろうか?
雪斗の横に立っていた明良が司会をする放送部副部長の方へ歩いて行く。
それに気付いた副部長・桜井君がマイクから離れ、ステージを降りた。
明良がマイクを掴み、口を開ける。
《これから逃走者の生徒会を捕まえた鬼を発表する。進めんのは誰にも捕まらなかった会長様の俺だ……》
キャー! という本当に男かと疑う声が交じる歓声ににやりと笑う明良。
……会長様って自分で言っちゃう辺りが明良らしい。
《俺が呼んだ奴はすぐステージに上がれ、ちなみに順番はさっきと逆で、補佐の要(カナメ)晃、翔、会計の甲斐、書記の関、そして副会長の篠崎だ。遅れんなよ?》
……懸念する順番は今言った通りだ。副会長である雪斗が明良はいないのでオオトリなのだ。
うん、やっぱり僕と萌貴君が最後で良かったかも。どうやったって逃げられない今、彼の行動次第で問題になることは間違いないが、最後なら完全に問題が収まらなくても無理やり終わらせることは出来るだろう。
ああ、一生徒の行動に一喜一憂するとは、いや、一喜はしてないか、でもこんなことはこの学園に入って一度もなかったのに。
怖いんだ、彼が何をしてくるのか。こんなにも恐れてしまっている。
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