7、結果発表とその後

9/27

2602人が本棚に入れています
本棚に追加
/184ページ
最初に補佐の晃君と彼を捕まえた生徒がステージの真ん中へ立った。 《命令は何だ?》 明良がそう訊く(キク)と、晃君がピクリと反応した。やはり、命令される立場になれば、怖いに決まっているだろう。 マイクが渡され、生徒が緊張した面持ちで息を吸い込む。 《か、要様……俺の頬にっ、ちゅーして下さい!》 《やだ》 《じゃっじゃあ、手にキスしていいですか!?》 《え~……いいよー》 1回目の命令、というかお願いを即却下するのには驚きだけど、めげずに次の命令をする彼も凄かった。 跪いて恭しく(ウヤウヤシク)手を取り口付けて終了。若干しまった! と命令の内容を悔やむような表情をしていた生徒だったが、終わった後は実に幸せそうだった。 こんな調子で、翔君は親衛隊に顔を出して貰う約束、結月君は校外デートの約束、浩助は1対1での食事の約束、と順調に何事も無く進んでいった。 全て同性を恋愛対象とした命令なので流石としか言いようがない。 浩助に命令したを下した生徒が壇上から降りる。浩助もステージ端に並び直した。 遂に僕の番が来た。ゆっくりとステージの真ん中へ移動する。こんな学園だからか体育館もそのステージも、他の学校と違いおそらく桁違いに広い。意識しないと焦って早足にでもなってしまいそうな程、雪斗は焦りを感じていた。
/184ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2602人が本棚に入れています
本棚に追加