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副隊長は口を開く。
「まず、前提が違う。さっきから言っているが隊長は平凡じゃない。副会長が高嶺の花なのに対して、隊長は高嶺とまでいかない花だ」
「はっ、」
花!?
初っぱなからとんでもない表現に動揺する俺。に、気付いてるのかいないのか、副隊長は続けた。
「隊長は特待生の頭を持ち、一年生ながら1番大きい生徒会親衛隊の隊長を務め上げている実績も持ってる。
それはつまり、手が届くかもしれないと期待されるのと同時に、隊長がただの庶民であることからも丸め込んでその能力を自分のものにしようと企まれる危険も含んでる」
「ん、んん?」
突然こ難しい話になり混乱するが、それでも納得がいかず、一樹は声を上げて反論した。
「お、俺の能力が意外と高いのはわかったけど、それだけで俺をどうこうしようなんざ思わねえだろ! いくらこの学園にホモが多いからって、それで俺を選ぼうなんて、なんで思える、」
「しつこいな、まだわからないか」
俺の声を遮った副隊長は、真面目な顔のままその手を俺の頬に伸ばした。俺よりはるかに男らしい手が微かに触れて、心臓がどきりと鼓動を増した。
「隊長は平凡じゃないと、何度言ったらわかる」
なに、を。
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