壱章ー練ー

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『魔臓管欠如症』 普通魔力は魔臓器とよばれる臓器に溜まる。そして、魔法、術、導を使う際その溜められた魔力を対象に注ぐのが魔臓管である。その魔臓管が無い病気。 『常時魔力漏出症』 普通は魔臓器に溜まるはずの魔力が何らかの原因で漏れ出す病気。ブロックスの場合左右の人差し指から常時漏れている。 私がマオに病気のことを話すとマオは不思議そうに私を見た。 「ほぉ、普通そんなハンデがある人間なら人生を諦めてるぞ?」 そんなことをマオはさらっと言った。 「わたしは諦めが悪い人間なんですよ。」 そうこの世界で力がない=生きていけないのだ。実力的にも社会的にも。だからこうして誰もいない辺境で家族三人で暮らしているのだ。 そんな会話をマオとしていると下から母さんの声がした。 「ブロックス~?王都からあなたにお客さんよ?」 私は来てしまったか、と心の中で膝をついた。王都からと言うことは十中八九そう言うことだろい。
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