壱章ー練ー

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それから王都に行く前日までマオと一緒に新しい技術の開発に奮闘した結果、家の近くの森の2/3を焦土に変えてしまった。 反省も後悔もしてます。 「まぁ、この焦土化はヤりすぎた感が否めませんが改良点は何点かあるもののこれで何とかなるでしょう。」 あれから2人で開発を進めていたらどんどん新発見が立て続けにあり、魔法、術、導の全ての要訣を含んだ新しい『魔唱』という技術が生まれた。 「うはぁ、これは凄いな俺と魔法戦なら互角位じゃないか?」 「まさか、こんなスゴいことになるなんて思いもしませんでしたよ。」 明日は王都へ行く日なのでかなりギリギリではある。しかし、二人の造り上げたこの魔唱は本当なら相当の年月を費やして造り上げるものであり、半月で出来るようなものではない。 「明日は早いので取り敢えず家に戻りましょう。マオ、小鳥に戻ってください。」 マオは頷くと人から小鳥に変身した。 「明日は王都か。たのしみだなロック!」 マオは余程楽しみなのかブロックスの周りをパタパタと飛び回っている。 「私は胃が痛いですがね。うぅ、、、」 翌日ーーー 朝予定の時刻になると家の前に馬車が止まっていた。 「お待たせ致しました。ではアルト国王都「アスロン」へと向かわせていただきます。準備は宜しいですか?」 馬車の操縦士は老紳士という言葉がぴったりの白髪の男性だった。 「あ、はい大丈夫です。」 馬車に乗り込むと中は長い旅にも対応しているようで程よい硬さのソファに机、小物ダンスが備え付けられていた。 「王都へは約2日ほどで到着する予定で御座います。到着までお寛ぎくださいませ。」 2日か長いな、とマオが耳元で囁いてきた。というか、小鳥の姿であまり人前ではしゃべらないでほしい。 「はい、分かりました。」 「では」と老紳士は操縦席へと向かって一時すると馬車が動き出した。
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