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薄暗く異様な雰囲気が醸し出された広間に、異質な存在感を放つ人の形をしている「何か」。
それに対するは、この場には相応しいとはいえない格好もとい農村の村人のような服装の青年。
『ほう。おまえが我を倒しにきーーー』
「何か」は口を開いた。いや、開こうとした。しかしそれは青年の言葉に遮られる。
「いや。あえて言いますよ。違います。」
青年はあっけらかんと言う。
『いや。じゃ何でここにーー』
「何か」は今まで出していた雰囲気を霧散させ戸惑いの色を見せ始めた。
「じゃ。そう言うことで。」
青年は「何か」の戸惑いも気にせず広間の扉へと歩き始めた。
『えっ!ちょっーー』
バタンッ。と扉が閉まる音が広間に響き渡る。
『魔王を無視とからめぇぇぇぇぇぇ!』
ーーーーーーー。
「ーーらめぇぇぇぇ!!」
青年が廊下を建物の出口に向かって歩いていると魔王の叫び声(?)が廊下一杯に響き渡った。
「うん?五月蠅いですね~。所であのコスプレ趣味の変人は誰だったんですかねー?」
などと思考を巡らせているといきなり後ろから誰かに肩を掴まれた。
「!!?」
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