肆章ー集ー

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「体内生成による魔力消費ではなく、空気中の魔素からの常時生成に消費。その発現速度はどの技法も突き放すほどに加え、オリジナルの物まで組める始末、、、実質、無限の魔力に無限の選択肢じゃ、これを出鱈目と言わずになんという。」 だがフィンはそこに待ったをかけた。 「ライカ、それは師匠だけの話だよ。確かに魔素からの魔力生成はできるけどオリジナルどころか、俺は自分の属性さえ操れていないさ。」 フィンの持つ“原子属性”は本来全ての属性を汲む。 今フィンが使っているトレースされた魔法は、原子魔法の土属性と火属性と水属性を掛け合わされて創り出された“製鉄魔法”と風属性と土属性と月属性の“重力魔法”だ。 他にも原子“魔法”には製竜魔法・天災魔法・還元魔法・分解魔法が存在する。 原子属性の特性は“派生”、原子属性は全ての単属性(火・水・雷など)を扱えるが、それ単体で行使することは出来ない。製鉄魔法のように土+火+水のように掛け合わせて漸く発現させることができる。 「でも俺にはオリジナルどころか魔唱での掛け合わせさえできていない。だから今、手間のかかる“魔法のトレース”なんてモノで誤魔化してるんだから。」 魔法のトレースはブロックスが魔唱の補助技法として編み出したもので、魔法の発動式や発現式をルクス文字に簡略変換したものを魔唱として使用する方法で、変換作業はブロックスにしか出来ない。 「まぁフィン、そこは焦る必要はないと言っているでしょう。魔唱は様々な理論を組み合わせて創った技法です。そのためには基礎的な魔法、魔導、魔術の知識を頭に入れとかなければいけない、、、その為に今学園に通っているんですから。」
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