壱章ー練ー

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この駄王は威厳が私の中では低迷の一途をたどってますねぇ。 「ま、別に魔唱を使えることによるメリットが大きいので別に構いませんけどね。」 駄王は神妙な顔で続ける。 「戦場に赴くとは多かれ少なかれ人を殺めるということだよ?それに関する抵抗は無いのかい?」 あれ、意外と駄王は道徳的な事を言うんですね。 「やらなければ此方がやられる、大事な人を護れない、そのためなら悪にでも鬼畜でも何にでもなる、それを私は“覚悟”と呼んでいますが」 「意外とドライな性格なんだね。ご両親の性格からは考えられないよ、、、」 性格はドライですが人格は普通と自負してますが? 「甘さは命取り、、、とまでは言いませんが戦場では不要なものですからね。」 そう言えばマオの姿が見えませねぇ。あ、上座の椅子に小鳥になって寝てますね。 「ふぅ、取り敢えず今日は休ませていただいて宜しいですか?今後の課題が山積みなんで。」 「そうだね、じゃあサティノル君のこの城専属メイドを呼ぶから待ってね、、、」 駄王は手を三回叩くとメイドらしき女性の声が聞こえた、、、私の真後ろから。 「えー。普通この場合駄王の後ろに現れません?」 「いえ、この城での私の主はサティノル様でございますので。駄王ではありません。」 え、メイドさん?それ不敬罪ですよ?私?治外法権です。
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