壱章ー練ー

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「はぁ、、、不幸ですねぇ。」 私ことブロックス・サティノルは頭を抱えて悩んでいる。元凶はというと、、、 「どうしたんだ?ブロックス。」 この私の周りを飛び回っている黒い小鳥こと魔王のお陰です。 何度この小鳥を焼き鳥にしてやろうかという激しい葛藤が脳内で繰り広げられたことか。 「はぁ。将来は確実に禿げますね。」 あれから魔王は五分もせずに戻ってきたんですが、、、その、最悪のシナリオを描いてくれちゃいまして。そのためこうやって頭を抱えているわけです。 そのシナリオとは ・魔王は城に来たものに倒された。 ・魔王は凄腕の魔導士に倒された。 ・その倒した者は魔法、魔術、魔導の何にも属さない不思議な力を持つ などなどまだ有るのだがありもしない内容を此処からは距離にして約12.5ガルト(約350㎞)離れる王都からこの辺境の村までどうやったかは知らないが言いふれて廻ったのだ。 まだ、其れだけなら打つ手はある。知らんふりをすればいいのだが、、、 「なんでマオは名前まで言い触らしたんですかぁぁぁ!!」 私は怒りのあまり飛び回っているマオ(名前の安直さは否めない)を掴み締め上げた。 「ちょっ!締まってるぅぅぅ!中身でちゃうからぁぁぁ!!」 そうこのバカは魔王を倒したのがこの私、ブロックス・サティノルと余計な設定付きで言い回ったのです。 「私は特異的な体質のせいか魔力がほとんどないんですよ!?絶対に王都から使者がきて王に謁見しなきゃいけなくなったら!」 使者くる→王都→魔力最低値→魔法使えない→嘘発覚→首ちょんぱo rz 絶望的ですね、分かりたくありませんでした。
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