異変、シリアス、闇の竜

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『神様、本当にあれの目覚めを黙認していてもよろしいのですか!?』 天使の一人が我慢ならないといったふうに悲鳴混じりに叫んだ。 天使たちの集う円卓の中心には白いローブの老人がにこやかに座っている。 天使たちは不安げにその立派な翼を揺らした。老人の横で立っていた一人の天使、ラグエルだけはこの状況を収めなくてはと慌てている。 『これこれ、お前たち。お前たちが慌ててどうする?』 神様と呼ばれた老人は呑気そうに自身の髭を撫でているようにしか見えない。 『しかし!』 そのなかでも一際目を引く美しい天使は訴えかけるように激しく立ち上がる。 金糸のようなブロンドがキラキラと揺れた。 『落ち着きなさい、ミカエル 。あなたがそんなに取り乱しては示しがつきません』 静かに制止する天使もどこか気品を漂わせているがそれも今は困惑が大きく感じられる。ビロードのようなブロンドに縁取られた顔は石膏のように白い。 『・・・』 ラグエルより上位の天使たちの焦る姿に、彼じしんも混乱していた。 この「神」はいったい何を考えているのか。 大天使の一人が声を上げた。 『われわれが見苦しい姿を神聖徒たちに見せるわけにはいけません。それはそれとして、神様、私たちが納得するようにご説明願いたいのですが?』 その語調にはお願いする、というよりは問い詰めるような響きがあった。
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