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『その子達を変わりに育ててはくれないか、すぐ近くの村で捨てられていた子だ。
・・・完全なる人間の子では無いから捨てられた。私が見守れるのもここまでだ。』
わかっていてもすぐに頷けない自分がそこにいた。
「・・・」
子供を育てる、なんて簡単に了承出来ることじゃない。
犬や猫の子供を貰うのとでは訳が違う。
大体ガキの俺には難しい問題だ。
だけど、ここでは状況が違う。
俺が見放せばこの双子はどうなる?ここは俺以外の人間がいない。こんな森の奥で誰かに見つけて貰うというのはかなり難しい、いや不可能だろう。
モンスターに襲われて、彼らは死ぬだろう。
『もはや頼めるのはそなたしかいない、待っておったぞ、偉大なる王よ』
偉大なる王だって?
何か勘違いしていないかこのドラゴン。
確かに俺は魔王(仮)になった。
笑わせるな、俺はただの子供だ。
特別何かが出来たわけじゃない、ただの子供だ。
冗談にしてはその言葉が重過ぎて、いつものように笑い飛ばすことが出来なかった。
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